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エリアカメラとラインセンサカメラ

画像処理による外観検査において、目的の欠陥を撮像するために重要となるカメラ選定。あらゆる製造業の外観検査で使用されている「エリアカメラ」と「ラインセンサカメラ」のそれぞれの特徴をご紹介いたします。

エリアカメラ

一般的な写真を撮る場合のように面状の像を撮像する
VGAサイズから高画素まで接続 一方向からの検査に向いている
面状(矩形)の像を撮像する。
目視と同様の画像を撮像する。

ラインセンサカメラ

素子が1列で、ワーク(もしくはカメラ)を移動させて1列ずつ合成させて展開図のような画像を取り込む
2000画素から4000画素に接続 円筒形全周検査や板状・シート状ワークへ
ラインセンサカメラは、スキャナーのイメージで線状に対象物を撮像し、それらを合わせることで画像を生成します。スキャナーの場合はカメラが移動しますが、一般的なラインセンサカメラを使用した外観検査ではカメラは動かさずワークを移動させる機構が必要となります。

エリアカメラとラインセンサカメラ撮像比較

キャップ

図1

エリアカメラでの撮像画像
エリアカメラ

図2

ラインセンサカメラでの撮像画像
ラインセンサカメラ
エリアカメラは、見たままの画像を撮像します(図1)。ネジ部の全周検査をする場合は周囲4方向にカメラを設置するか、ワークを回転、撮影時にストップさせながら4ショット撮影する必要があります。また、R部は画像がつぶれてしまうので見逃しが起こらないよう注意する必要があります。
ラインセンサカメラは、ワークを回転させ、ストップさせることなく回転中に全周を均一に一括で取り込むことができます(図2)。また、ワークを動かすことが難しい場合は、コピー機のスキャナーや、図4の撮像例のように、ワークを動かさずにカメラを動かすことで全体図を取り込む場合もあります。
エリアカメラの検出画像
エリアカメラ
ラインセンサカメラの検出画像
ラインセンサカメラ
エリアカメラは、位置により照明の当たる角度が異なるため、取込範囲内で明暗のバラつきが生じてしまいます。
ラインセンサカメラでは、撮像範囲において照明とカメラの位置が常に一定のため、均一性の高い撮像をすることが可能になり、検査精度の向上を図ることができます。

まとめ

エリアカメラ

メリット
  • 見た目と同じような画像が撮像できるため調整が直感的にできる
  • カメラやワークを動かす必要がない
  • 比較的安価
  • 文字、汚れ、形状検査に適している
デメリット
  • 検査したいワーク全体が均一になる照明条件が必要
  • 面状に撮像するため円筒形などのRがかかった側面に対して検査精度の差が出る

ラインセンサカメラ

メリット
  • 均一の照明条件が作りやすく、特に表面凹凸の不良に対して有効的
  • 比較的サイズの大きいワークにも対応できる
  • 円筒形などのRがかかった側面検査に最適
  • エリアカメラで撮像が難しいキズ検査に有効
デメリット
  • 素子が1ラインしかなく撮像している画像が直感的なものでないため調整作業が難しい
  • カメラやワークを移動させなければならない
  • 回転機構などが必要なため装置が高額になる
  • カメラの筐体が大きい
 
エリアカメラとラインカメラの良いとこ取り!
マルチプルイメージャーの特長