マルチプルイメージャーとは
デクシスが開発したオリジナルカメラ「マルチプルイメージャー」とはどのような機能をもつカメラなのでしょうか。
カメラの特徴を簡単に説明すると、最大で8ライン分の画像を同時に取得することができるので、異なる光学条件の検査も一度に行うことができる。
カメラの特徴を簡単に説明すると、最大で8ライン分の画像を同時に取得することができるので、異なる光学条件の検査も一度に行うことができる。
そして、「エリアカメラ」でもあり「ラインセンサカメラ」でもあるカメラです。
では、異なる光学条件の検査も一度に行うことができるとはどういうことでしょうか。
目次
不良の見え方と視野の特性
不良の見え方について
まず、不良の見え方は大きく分けて3種類あります。
1.異物・汚れ・変色などの異質不良
2.変形・欠損などの形状不良
3.キズ・バリなどの凹凸不良です。
【異質不良】
ワーク表面の汚れや変色、異物の付着など

【形状不良】
ワークの変形や欠け

【凹凸不良】
キズや打痕による凹み、バリなどの突起

それぞれ異なる不良ですが、どれか特定の不良のみ発生する製造現場は少ないです。
よって、基本的にどの不良も検査して欲しいというご要望となります。
では、実際にこれらの不良を撮像するためにはどのような光学条件が必要なのでしょうか。
視野の特性について
まず、下記図のようにキズと汚れを検査したい場合、明視野と暗視野の2つの視野が必要となります。

明視野

照明から照射された光がカメラに直接あたる、
全体的に明るく撮像される視野
→全体が白く撮像されるため不良は黒く写る
キズが見えない・・・
暗視野

照明から照射された光がカメラに直接あたらず、
全体的に暗く撮像される視野
→全体が黒く撮像されるため不良は白く写る
汚れが見えない・・・
その他、ラインカメラの明視野と暗視野の境目位置である中間視野は金属系の凹凸不良検出に向いています。
ここで課題となってくるのが視野の制限です。
視野の制限の課題とマルチプルイメージャーの誕生

前述のとおり、汚れとキズを検査したい場合、明視野と暗視野の2つの視野が必要とわかります。
しかし、1つの光学条件(カメラや照明)では1つの視野しか作れません。
つまり、2つの視野を撮像するにはカメラが2つ必要ということです。
事例解説:円筒形深絞り金属部品の外観検査
側面検査について

通常、円筒形の側面を検査する場合はラインセンサカメラを使用します。
以下の画像は、照明条件を変えてラインセンサカメラを使用し撮像した3種類の画像です。
画像1[正反射光]
画像2[散乱光]
画像3[ローアングル]
同じ金属部品でも、照明の当て方が変わると、欠陥の種類によって見え方が異なることが分かります。
[画像1]正反射光の場合
凹凸のはっきりしている打痕などの場合は、欠陥の部分が影となって黒く映ります。
反対にキズや付着物は周辺部分と同じように光を反射するので見えにくくなります。
[画像2]散乱光の場合
付着物は周辺部分と色が異なっていることにより光の散乱率が異なるため、黒くはっきり映し出されています。
[画像3]ローアングルの場合
キズ以外の場所は正反射光の外となるため黒くなりますが、
浅いキズがある箇所で散乱した光がカメラに映るため、キズ部分のみが白く見えています。
これらをまとめると、今回の金属部品検査の場合、欠陥とそれを撮像するのに最適な照明条件は以下の通りとなります。
- 打痕検査 ⇒ 正反射光
- 付着物(汚れ)検査 ⇒ 散乱光
- キズ検査 ⇒ ローアングル
前段の視野の制限に当てはめると、通常のラインカメラでこれら全ての欠陥を検査するには3台のカメラや検査ステージが必要になります。

しかし、マルチプルイメージャーは1台で最大8ライン分の画像を取得することができるので、カメラを複数台準備することなく、これらの照明条件の異なる欠陥を撮像することができます。
マルチプルイメージャーは「操作性」「機能性」に優れた第三のカメラ
さて、冒頭でマルチプルイメージャーは「エリアカメラ」でもあり「ラインセンサカメラ」でもあると説明しました。
そうなんです!マルチプルイメージャーは1台にエリアモードとラインモードを搭載した、まさに第三のカメラなのです!
エリアカメラは一般的なカメラ撮影と同様、全体を面で捉えるのに対し、ラインセンサカメラは1列の線で捉えます。
この線を適正に捉えるための照明位置やピント調整は非常に難しく、熟練した調整技術を要します。
そこで、マルチプルイメージャーのエリアモードの出番です!
ラインセンサカメラで苦労する光軸合わせが簡単に
マルチプルイメージャーのエリアモードを使えば、エリアカメラ画像でのピント調整が可能です。
欠陥が見えやすい場所をエリア画像からラインでダイレクトに選択。
その後、ラインモードに切り替えると、先ほど選択したラインでの画像が展開され全周の欠陥検出が可能となります。
これにより、短時間で正確なカメラ調整が可能となるわけです。
もちろん、エリアカメラそのものとしても使用できるため、天面・底面検査にも活用できます。
天面画像
底面画像
適切な位置で撮像できるワークステージさえ用意できれば、マルチプルイメージャー1台での全面検査が可能となります。
まとめ
通常のラインカメラの場合、1ラインしか撮像できないところ、マルチプルイメージャーなら1台で8ライン撮像可能かつ、
エリアカメラとしてもラインカメラとしても使えることで、
- 最大8ラインまで追加できるため、検査項目の追加にも柔軟対応
- ラインカメラの調整作業時間の削減(段取り替えも素早く容易に)
- 検査の省スペース化、機材コスト削減
が可能となります。
▶複数種類の欠陥検査が必要(特にワーク表面のキズを検査したい)
▶カメラのピント合わせや光学条件による欠陥の発生ポジションの確認が難しい
▶スペースが狭く、設置可能なカメラの台数が限られている
▶省コストで外観検査の自動化を行いたい
▶カメラのピント合わせや光学条件による欠陥の発生ポジションの確認が難しい
▶スペースが狭く、設置可能なカメラの台数が限られている
▶省コストで外観検査の自動化を行いたい
このような課題をお持ちでしたら、ぜひマルチプルイメージャーをご検討ください。
関連リンク
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