デクシスが開発したオリジナルカメラ「マルチプルイメージャー」とはどのような機能をもつカメラなのでしょうか。
カメラの特徴を簡単に説明すると、最大で8ライン分の画像を同時に取得することができるので、異なる光学条件の検査も一度に行うことができる。そして、「エリアカメラ」でもあり「ラインセンサカメラ」でもあるカメラです。
カメラの特徴を簡単に説明すると、最大で8ライン分の画像を同時に取得することができるので、異なる光学条件の検査も一度に行うことができる。そして、「エリアカメラ」でもあり「ラインセンサカメラ」でもあるカメラです。
下記のような場面で特に効果があります。
複数種類の欠陥検査が必要な場合。特にワーク表面のキズを検査したい場合
カメラのピント合わせや光学条件による欠陥の発生ポジションの確認が難しい場合
スペースが狭く、設置可能なカメラの台数が限られている場合
省コストで外観検査の自動化を行いたい場合
金属製絞り部品検査を例に説明していきます。
まずは、側面検査です。通常、円筒形の側面を検査する場合はコラムで前述の通りラインセンサカメラを使用します。以下の画像は、照明条件を変えてラインセンサカメラを使用し撮像した3種類の画像です。
画像1[正反射光]
画像2[散乱光]
画像3[ローアングル]
同じ金属部品でも、照明の当て方が変わると、欠陥の種類によって見え方が異なることが分かります。
[画像1]正反射光の場合、凹凸のはっきりしている打痕などの場合は、欠陥の部分が影となって黒く映ります。反対にキズや付着物は周辺部分と同じように光を反射するので見えにくくなります。
[画像2]散乱光の場合、付着物は周辺部分と色が異なっていることにより光の散乱率が異なるため、黒くはっきり映し出されています。
[画像3]ローアングルの場合、キズ以外の場所は正反射光の外となるため黒くなりますが、浅いキズがある箇所で散乱した光がカメラに映るため、キズ部分のみが白く見えています。
これらをまとめると、今回の金属部品検査の場合、欠陥とそれを撮像するのに最適な照明条件は以下の通りとなります。
[画像3]ローアングルの場合、キズ以外の場所は正反射光の外となるため黒くなりますが、浅いキズがある箇所で散乱した光がカメラに映るため、キズ部分のみが白く見えています。
これらをまとめると、今回の金属部品検査の場合、欠陥とそれを撮像するのに最適な照明条件は以下の通りとなります。
- 打痕検査 ⇒ 正反射光
- 付着物(汚れ)検査 ⇒ 散乱光
- キズ検査 ⇒ ローアングル
欠陥によって最適な照明条件が異なるので、通常のラインカメラを使用した検査の場合はカメラや検査ステージを欠陥の種類分準備する必要があります。
しかし、マルチプルイメージャーでは最大8ライン分の画像を取得することができるので、カメラを複数台準備することなく、1台でこれらの照明条件の異なる欠陥を撮像することができるのです。
さらに、同じマルチプルイメージャーで、エリアカメラモードでの使用により、金属部品の天面と底面の検査も同時に行うことができます。
しかし、マルチプルイメージャーでは最大8ライン分の画像を取得することができるので、カメラを複数台準備することなく、1台でこれらの照明条件の異なる欠陥を撮像することができるのです。
さらに、同じマルチプルイメージャーで、エリアカメラモードでの使用により、金属部品の天面と底面の検査も同時に行うことができます。
天面画像
底面画像
一般的には、側面検査と天面・底面検査をする場合にはエリアカメラとラインカメラを両方用意する必要があります。一方、マルチプルイメージャーはどちらの用途でも使用することができるので、適切な位置で撮像できるワークステージさえ用意できれば、マルチプルイメージャー1台での全面検査が可能となります。
関連リンク
エリアカメラとラインセンサカメラの違いとは