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外観検査とは

外観検査とは、製品や部品が正しい仕様や規格に沿って作られているかどうかを確認するために行われる検査のことで、品質管理の一環として重要な役割を果たしています。
 
検査項目は製品によって多岐にわたり、例えば、自動車部品の製造工程においては、塗装が均一であるか、傷やへこみがないか、表面が平滑であるかなどを確認するために外観検査が行われます。
 
そのほか、パッケージングされた製品のラベル位置や印字検査、成形品の汚れや形状、寸法検査など外観検査は様々な分野で広く行われています。
 
外観検査の手法としては人の目による「目視検査(官能検査)」と画像処理装置等の機械による「自動検査」の二種類あります。
 

いずれにしても、外観検査は欠陥や損傷の早期発見、不良品流出の防止、品質改善、安全性の確保に繋がり、顧客からの信頼、満足度の向上に寄与するものづくりには欠かせないプロセスです。

検査ワーク1
検査ワーク2
検査ワーク3
検査ワーク4

外観検査の手法

■目視検査(官能検査)とは

目視検査
人の目による検査手法のことで、検査対象物を肉眼で直接観察し、外観上の欠陥や異常を検出します。
視覚のほか、味覚、嗅覚、触覚、聴覚の五感を用いるため官能検査とも呼ばれます。
形状や素材などに依存せず、外観上の欠陥や異常を検出することができる柔軟性に優れた検査手法です。
また、専用の装置の導入やスペースの確保が必要ないため比較的低コストで運用可能です。
一方で、検査員の主観的な判断に依存するため、検査員の経験や感覚によって結果が左右される、時間帯での結果が異なるなど、判断にばらつきが生じ一貫性に欠けることがあります。
その他、長時間の検査作業による集中力の低下、検出漏れや見逃し、判断ミスが生じる可能性もあります。
人員の確保や検査トレーニングにかかるコスト等も考慮しながら目視検査の効率性や一貫性を向上させるためには自動化や補助ツールの導入を検討をすることも重要です。

■自動検査とは

自動検査
画像処理やX線、超音波等の技術を用いて検査を機械で自動的に行う検査手法です。
目視検査における人の主観や人的要因を排除し、高速かつ正確な検査結果を得ることができます。
無人運転、24時間稼働が可能なため大量の製品や部品を迅速に検査できます。
また、検査データの記録・蓄積によりトレーサビリティの確保ができることで、不良品の特定や原因究明、品質管理の改善などが容易になります。
一方で、自動化するためには検査手法の開発や設備の導入に高い初期投資が必要な可能性があります。
また、製品や部品の多様性(多品種・小ロット製品)に対応するために段取り替えや複数の検査システムの導入が必要となる可能性もあります。
しかしながら、より正確な検査や品質向上、競争力の強化を重視する場合、自動検査システムの導入は非常に効果的です。